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青い春の残像

 

『人は誰も、十代の頃に自分にとっての「神様」と呼べる存在と、一生ものの出会いをする。』
 
みなさんこんにちは。開発管理部です。
太陽に焼かれつつ建設中現場に足を運んでいると、「昨年のこの時期ってこんなに暑かったっけ?」と、年々増していく暑さを実感する日々です。
 
冒頭にあげた一文は辻村深月作「V.T.R.」より引用させていただいたものです。
私がこの小説を初めて読んだのは大学生の時でした。正直なところ、小説の内容自体はだんだんと忘れていってしまっていますが、この一文だけは読後何年経っても覚えていて、きっとこれからの人生でも忘れることのない言葉なのだと思います。
 
人によって時期は変わるのかと思いますが、十代の頃、私にとっては中学三年生~高校二年生くらいの三年間だったでしょうか。おそらく自分の人生の中で一番多感で、周りからいろいろな影響を受けやすく、エッジが効いていた時期です。今から思い返せば「若気の至り」なんて五文字で片づけて、忘れてしまいたいようなことも山盛り詰まっている、そんな時期です。
 
そんな時期に私が出会ったのが、バンド「AquaTimez」と作家「乙一」でした。
 
それぞれの良さを書きだしてしまうと止まらなくなりそうなので割愛しますが、新曲が、新作が、楽しみで待ち遠しくてたまりませんでした。
音楽を聴きながらCDについている歌詞カードを何度も何度も読み、噛みしめて、心にじんわりと温かいものが広がっていった記憶を覚えています。
小説を何度も読み返し、好きなページに開き癖が付いて、いろんな所に持ち運ぶばかりにだんだんとボロボロになった小説が今も手元にあります。
何かに対して「ままならない」と憤ったり、ちょっとしたことで悩んだりしていた十代の自分をずっと支えてくれていたのでしょう。本当にだいすきでたまらなかった。
 
あの時期、飽きも来ず触り続けた作品たちも、だんだんと触れる機会が減ってはいますが、今でもたまに棚の奥から引っ張り出し、そっとページを開いてみたりするのです。
もう私にあんなにも何かを追い求める時期は来ないのかもなぁ……、なんて枯れていく感受性に少し寂しさを感じながら。
これからもきっと時々、ページを開くのだと思います。
十代の「神様」たちはこれからも私の人生に度々登場してくれることでしょう。
 
私はあの多感な十代の時期に、一生ものだと思える「神様」との出会いがあってよかった、と心から思います。
「神様」の正体は、私にとっては音楽と小説家でしたが、スポーツや芸能人や趣味や、もっと曖昧な場合もあるのかもしれません。
 
みなさんは、自分にとって「神様」と呼べる存在との出会いはありましたか。


 

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